2011年に亡くなったスティーブ・ジョブズ氏は多くの印象的な言葉を残しました。中でも2005年に米スタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチは、自らの生い立ちや闘病生活を織り交ぜながら、人生観を余すところなく語り、広く感動を集めました。
このスピーチは単なる成功者の講話ではなく、「どう生きるべきか」という本質的な問いに対する、深く、そして優しい答えでもあります。
これを「私の好きな話」に載せようかと思いましたが、英語を勉強する観点からも良いと思ったので、英語の解説を加えて、紹介する事にしました。
このスピーチは歌を覚える様に、まる覚えするだけでも、飛躍的な英語力向上につながります。
Thank You. I am honored to be with you today for your commencement from one of the finest universities in the world. Truth be told I never graduated from college and this is the closest I’ve ever gotten to a college graduation. Today, I want to tell you three stories from my life. That’s it. No big deal. Just three stories.
ありがとう。世界最高の大学の1つである、ここスタンフォード大学の卒業式で、本日皆さんとご一緒できることを私は光栄に思います。実を言いますと、私は大学を出ていません。ですので今この機会が、大学の卒業式に私が最も近づいたことになります。本日私は、私が人生から学んだ3つのストーリーについてお話ししようと思います。大した事ではありません。たった3つのストーリーです。
解説
honor /ɑ́nər/ (動) 光栄と感じさせる ⇨ be honored to 〜: 〜して光栄です(光栄と感じさせられる)
commencement /kəménsmənt/ (名) 卒業式:動詞commence /kəméns/ は「始まる」の意。その名詞「始まり」から「卒業式」の意味になります。この他、卒業式は「graduation ceremony」とも言います。(主に米国)
truth be told:直訳すると「真実は語られる」という意味になりますが、意訳すると「実を言うと」という風になります。
I (have) never graduated 〜:現在完了形の “have” が省略されています。(現在完了形の詳しい解説は「英語の文法」をご参照ください。)
this is the closest I have ever gotten to a college graduation:「this」 は「この場」の事です。 “the closest” は「一番近いところ」の意味です。次の “I” 以下がどのような「一番近いところ」かを説明している。 “closest” の後に “place where (関係副詞)” を入れると理解しやすくなります。 「get to 〜」 は「〜に到達する」という意味です。「経験」を表す現在完了形で、全体の意味は「この場所は、私が今までに大学の卒業式というところに到達した一番近いところ」となります。
want to:ここ(口語)では通常 “wanna” /wɑ́nə/ と発音されます。
that’s (that is) it:「ただそれだけです」の意味です。「that’s (that is) all」と同じ意味です。口語では良く使用されます。
deal /díːl/ (名) 取引 ⇨ no big deal:「大きな取引ではない」から「大したことはない」という意味になります。
The first story is about connecting the dots. I dropped out of Reed College after the first 6 months, but then stayed around as a drop-in for another 18 months or so before I really quit. So why did I drop out? It started before I was born. My biological mother was a young, unwed graduate student, and she decided to put me up for adoption. She felt very strongly that I should be adopted by college graduates, so everything was all set for me to be adopted at birth by a lawyer and his wife.
最初の話は、点と点がつながる事についてです。私はリード大学を半年で退学したのですが、本当に学校を去るまでの1年半かそれくらいは聴講生として大学に残り続けました。ではなぜ、学校をやめたのでしょうか。話は私が生まれる前にさかのぼります。生みの母は未婚の大学院生でした。母は私を養子に出すことを決心したのです。母は私を産んだら、だれかきちんと大学を出た人に引き取ってほしいと考え、ある弁護士夫婦との養子縁組が決まっていたのです。
解説
connect /kənékt/ (動) ~をつなぐ
dot /dɑ́t/ (名) 点
drop out of 〜:「〜から落ちる」から「~から中退する」の意味という意味になります。「out of」 = 「from」
Reed College:ジョブズが中退したリード大学
stay around:「周りにとどまる」から「辺りをうろうろする」という意味になります。
drop-in:「drop in 〜」 は動詞句で「〜 の中に落ちる」から「〜に立ち寄る」という意味になります。名詞の 「drop-in」 は「立ち寄る人」から「大学の聴講者」(正規の学生ではない)という意味になります。
〜 or so: 「〜もしくはそれくらい」から「〜かそれくらい」という意味になります。
quit /kwít/ (動) やめる
biological /bàiəlɑ́dʒikl/ (形) 生物学の:「biological mother」 は「生物学上の母」から「産みの母」という意味になります。
unwed /ʌ̀nwéd/ (形) 未婚の:「wedding」の「wed」でよくこの様に短くします。 「un」 は否定の意味です。
graduate student: 大学院生:大学生は 「undergraduate student」といいます。
adoption /ədɑ́pʃən/ (名) 養子縁組 ⇨ adopt /ədɑ́pt/ (動) 養子にする
put me up for adoption: 「put 〜 up」 もしくは 「put up 〜」 は「〜を上へ置く」という意味です。全体の意味は「私を養子縁組のために上へ置く」から「私を養子縁組に出す」という風になります。
graduate /grǽdʒuət/ (名) 大学卒業生
be all set to 〜:「〜するために完全に整えられる」という意味になります。「all」 は副詞で「完全に」という意味です。
at birth: 「生まれた時に」の意味です。
everything was all set for me to be adopted at birth by a lawyer and his wife: 「for me to be adopted」 は「私が養子に出される」という意味になります。 「to」不定詞の主語は 「for 〜」 で表す。全体の意味は「私が生まれた時に、弁護士夫妻に養子に出されるよう全てが完全に整っていた。」となります。
Except that when I popped out, they decided at the last minute that they really wanted a girl. So my parents, who were on a waiting list, got a call in the middle of the night asking: “We’ve got an unexpected baby boy; do you want him?” They said: “Of course.” My biological mother found out later that my mother had never graduated from college and that my father had never graduated from high school. She refused to sign the final adoption papers. She only relented a few months later when my parents promised that I would go to college. This was the start in my life. ところが、私が生まれた時、この夫婦は女の子をほしいと言いだしました。こうして育ての親となった私の両親のところに深夜、電話がかかってきたのです。「想定外の、養子にできる男の子が生まれたのですが、引き取る気はありますか」と。両親は「もちろん」と答えた。後々、生みの母は、私の母は大卒ではないし、父に至っては高校も出ていない事を知りました。その為、養子縁組の書類にサインするのを拒否したそうです。実の母は、両親が僕を必ず大学に行かせると約束したため、数カ月後にようやくサインに応じたのです。これが私の人生の始まりです。 解説 except /iksépt/ (接続) (~ということを) 除いて ⇨ Except that 〜: (that以下) であることを除いては。ここでは 「when」から「a girl」 までのことを除いては、の意味になります。その為、直訳すると「私が生まれた時、この夫婦は女の子をほしいと言いだした事を除いては(決まっていました)」となります。 pop /pɑ́p/ (動) 飛び出す ⇨ pop out:「パッと飛び出す」から「生まれる」という意味になります。 at the last minute:「最後の時に」から「土壇場になって」と訳す事ができます。 when I popped out they decided at the last minute that they really wanted a girl: 「popped out」 までで一区切りで「私が生まれた時」という意味になります。 「they decided that 〜」は「彼らは本当に女の子が欲しいということを決心した」という意味になります。 who were on the waiting list:「who」 は関係代名詞です。先行詞は 「my parents」です。 waiting list: 順番待ちリスト ⇨ be on the waiting list: 順番待ちリストに載っている got a call in the middle of the night asking 〜: 「in the middle of night」 をカッコに入れると理解しやすいです。 (got a call asking 〜:「asking」 の主語は “a call」 で「電話を受けたが、その電話は〜を尋ねた」という意味になります。) in the middle of night: 「夜の真ん中に」から「真夜中に」という意味になります。 unexpected /ʌ̀nikspéktid/ (形) 予期しない(想定外)⇨ expected /ikspéktid/ (形) 予期された of course:「 もちろん」 find out that: (that以下の事を) 見いだす、気づく found out that my mother had never graduated from college: 「that」 節内は、「found out」 した時より更に過去のため過去完了の形になります。「母が大学を卒業していなかったことがわかった」という意味になります。 refuse /rifjúːz/ (動) 拒否する final adoption papers: 養子縁組の最終書類 (契約書) relent /rilént/ (動) (決意などが) 折れる She only relented a few months later when my parents promised that I would go to college: 「only」 はここでは「~になってようやく」の意味になります。 「when」 は関係副詞。先行詞は 「a few months later」 で「(when以下のことが) 起こった数ヶ月後」となります。 「when」 節は「私の両親は、私が大学に行く事を約束した」という意味になります。「私」の両親が約束したのは過去 (promised) で、その過去の時点から、将来「私」が大学に行くという未来のことを言っているので、時制を一致させて 「will」 ではなく 「would」 が使われています。 (関係副詞の詳しい解説は「英語の文法」をご参照ください。) |
And 17 years later I did go to college. But I naively chose a college that was almost as expensive as Stanford, and all of my working-class parents’ savings were being spent on my college tuition. After six months, I couldn’t see the value in it. I had no idea what I wanted to do with my life and no idea how college was going to help me figure it out. And here I was spending all of the money my parents had saved their entire life. So I decided to drop out and trust that it would all work out OK. そして17年後、私は本当に大学に通うことになった。ところが、スタンフォード並みに学費が高い大学に入ってしまったばっかりに、労働者階級の両親は蓄えのすべてを学費に注ぎ込むことになってしまいました。そして半年後、僕はそこまで犠牲を払って大学に通う価値が見いだせなくなってしまったのです。当時は人生で何をしたらいいのか分からなかったし、大学に通ってもやりたいことが見つかるとはとても思えなかった。私は、両親が一生かけて蓄えたお金をひたすら浪費しているだけでした。私は退学を決めました。何とかなると思ったのです。 解説 I did go to college: 大学に行ったことを強調するために 「went to 」ではなく 「did go to」 としています。 naively /nɑívli/ (副) 無邪気に ⇨ naïve /nɑːíːv/ (形) 世間知らずの、無邪気な、単純な be as expensive as 〜: 〜と同じくらい費用がかかる(同級の比較の詳しい解説は「英語の文法」をご参照ください。) working-class /wə́(ːr)kiŋ/ /klǽs/ (形) 労働者階級の savings /séivɪŋz/ (名) 貯蓄 ⇨ save /séiv/ (動) 貯金する tuition /tju(ː)íʃən/ (名) 授業料 all of my working-class parents’ savings were being spent on my college tuition: 受動態の過去進行形で「労働階級である私の両親の貯金の全ては学費に使われていた」という意味になります。 see the value:「see」 は「理解する」という意味で使われる事があり、「価値を理解する」という意味になります。 I have no idea what (how) 〜: 「(what以下) のことはわからない」という意味です。 what I wanted to do with my life:「what」 は先行詞を含む関係代名詞「〜すること (もの)」という意味になり、全体では「私が人生でやりたいこと」となります。(関係代名詞の詳しい解説は「英語の文法」をご参照ください。) figure out 〜:「figure」は動詞で「思う」。「out」 は「完全に」のニュアンスがあります。「〜と完全に思う」から「~を見つける」の意味になります。 help (人) figure out 〜:「(人) が 〜 を “figure out” することを助ける」という意味になります。help + O + 動詞の原形:Oが〜することを助ける how college was going to help me figure it out:「how」 は先行詞を含む関係副詞「〜する方法」という意味です。 “it” は “what I wanted to do with my life” を指します。全体では「私がそれを見つけるために大学が助けてくれる方法」から「私がそれを見つけるために、大学がどのように助けてくれるか」という意味になります。(関係副詞の詳しい解説は「英語の文法」をご参照ください。) I was spending all of the money my parents had saved their entire life:「money」 の後に関係代名詞 「that」 もしくは「which」 が省略されています。 「had saved」 と過去完了となっていますが、それは 「I was spending」 よりも更に過去のためです。「私の両親が貯蓄したお金の全てを 「spending」 していた。」という意味になります。 「their entire life」 は「彼らが生涯に」と副詞的に使われています。 trust /trʌ́st/ (動) 信頼する work out 〜: 「結果が~になる」 it would all work out OK: 「decided (to trust) 」 した過去の時点から見て未来を表すために、時制を一致させて 「will」 が 「would」 となっています。 「all」 は副詞で「すっかり」という意味です。全体では「すっかりうまくいくと信じることを決めた」という意味になります。 It was pretty scary at the time, but looking back it was one of the best decisions I ever made. The minute I dropped out I could stop taking the required classes that didn’t interest me and begin dropping in on the ones that looked far more interesting. It wasn’t all romantic. I didn’t have a dorm room, so I slept on the floor in friends’ rooms, I returned coke bottles for the 5 cent deposits to buy food with, and I would walk the 7 miles across town every Sunday night to get one good meal a week at the Hare Krishna temple. I loved it. その時は本当に怖かったのですが、今振り返ると、自分が人生で下したもっとも正しい判断だったと思います。退学を決めたことで、興味もない必修科目を受ける必要がなくなりました。そして、おもしろそうな授業に潜り込んだのです。とはいえ、いい話ばかりではなかったです。私は寮の部屋もなく、友達の部屋の床の上で寝起きしました。食べ物を買うために、コカ・コーラの瓶を店に返し、5セントをかき集めたりもしました。温かい食べ物にありつこうと、毎週日曜日は7マイル先にあるクリシュナ寺院に徒歩で通ったものです。 解説 pretty /príti/ (副) とても scary /skέəri/ (形) 怖い at the time: 当時は look back:「後ろを見る」から「振り返る」という意味になります。 ever /évər/ (副) 今までに but looking back it was one of the best decisions I ever made:「looking back」 は分詞構文で 「when I look back」 と同じです。通常、分詞構文の意味上の主語 (ここでは 「I」) は、文の主語 (ここでは 「it」) と同じになるのが原則だが、ここでは異なっています。 「it」 は「中退したこと」。「decisions」 の後に関係代名詞 「which」 もしくは “that” が省略されています。 「I (have) ever made」 は 「have」 が省略されている。口語ではよくある。「私が今までにした “best decisions”」という意味になります。(分詞構文と関係代名詞の詳しい解説は「英語の文法」をご参照ください。) the minute (that) S+V:SがVした瞬間に stop 〜ing:「 〜することをやめる」 (stop to V: Vするために止まる) required /rikwáiərd/ (形) 必須の (require/rikwáiər/ (動) 要求する) the required classes that didn’t interest me:「that」 は関係代名詞で「私の興味を引かない “required classes”」という意味です。(関係代名詞の詳しい解説は「英語の文法」をご参照ください。) begin 〜ing: 「〜することを始める」 drop in on 〜: 〜へ立ち寄る (drop in で「立ち寄る」という意味になります。「どこか」「誰かのところ」に立ち寄るという場合は 「on」 を付ける) ones: ここでは 「classes」 のこと。 その後の 「that」 は関係代名詞で「 “far more interesting” な “ones”」という意味になります。 look~ /lúk/ (動) ~のように見える far more:「 はるかに」 romantic /roumǽntik/ (形) ロマンチックな (直前の 「all」 は副詞。否定文では、「全てが~というわけではないで」という意味になります。ジョブズはこの 「all」 をよく使います。) dorm /dɔ́ːrm/ (名) = dormitory 学生寮 deposit /dipɑ́zət/ (名) 保証金 to buy food with: 「食料を買うために」という意味になります。「with」 がなくてもよい様に思えますが、ここでは必要です。 例えば 「Do you have something to eat?」 の場合は 「to eat something」 と言えるので 「to eat」 の後は何も必要ありません。ここでは 「to buy food with 5 cent deposits」 となり、 「with」 がないと意味が通じません。 I would walk the 7 miles across town every Sunday night: 「would」 はここでは過去の習慣を表し「〜したものだ」という意味になります。 And much of what I stumbled into by following my curiosity and intuition turned out to be priceless later on. Let me give you one example: Reed College at that time offered perhaps the best calligraphy instruction in the country. Throughout the campus every poster, every label on every drawer, was beautifully hand calligraphed. Because I had dropped out and didn’t have to take the normal classes, I decided to take a calligraphy class to learn how to do this. I learned about serif and sans-serif typefaces, about varying the amount of space between different letter combinations, about what makes great typography great. そして、自分の興味の赴くままに潜り込んだ講義で得た知識は、のちにかけがえがないものになりました。たとえば、リード大学では当時、全米でおそらくもっとも優れたカリグラフの講義を受けることができました。キャンパス中に貼られているポスターや棚のラベルは手書きの美しいカリグラフで彩られていたのです。退学を決めて必須の授業を受ける必要がなくなったので、カリグラフィの講義で学ぶ事をきめました。セリフ書体と サンセリフ活字書体を学び、文字を組み合わせた場合のスペースのあけ方も勉強しました。何がカリグラフを美しく見せる秘訣なのか会得しました。 解説 much of 〜: 〜の多く stumble /stʌ́mbl/ (動) 遭遇する ⇨ stumble into 〜: 〜に遭遇する curiosity /kjùəriɑ́səti/ (名) 好奇心 intuition /ìntjuíʃən/ (名) 直感 much of what I stumbled into by following my curiosity and intuition: ここまでが主語。 “what” は先行詞を含む関係代名詞 (上述参照)。全体の意味は「私が直感と好奇心で遭遇した多くのこと」という意味になります。 turn out to be 〜: 「結局~であることが分かる」 priceless /práislis/ (形) 値段が付けられないほど貴重な later on: 「あとで」 Let me 〜: 「私に〜させてください」 at that time: 「当時は」 offer /ɔ́(ː)fər/ (動) ~を提供する calligraphy /kəlígrəfi/ (名) カリグラフィー (書道の様な美しく書かれた手書き文字) ⇨ calligraph /kəlígrəfi/ (動) 美しく書く instruction /instrʌ́kʃən/ (名) 教育 throughout /θru(ː)áut/ (前) ~のあらゆる場所に drawer /drɔ́ːr/ (名) 引き出し every poster, every label on every drawer, was 〜: 「every」 は単数で受けるため be動詞は「was」になります。 normal /nɔ́ːrml/ (形) 通常の take a class:「授業を受ける」 I had dropped out and didn’t have to take the normal classes, I decided to 〜: 「didn’t have to 〜」 の時、 「decided to 〜」 した時より更に過去のため 「had dropped」 と過去完了になっています。 to learn how to do this: 「learn how to 〜」は「〜する仕方を習う」という意味です。 「this」 は 「hand calligraphy」の事です。 serif /sérif/ (名) セリフ書体 sans-serif /sæn(z)sérif/ (名) サンセリフ書体 typefaces /táipfèis/ (名) 活字書体 vary /vέəri/ (動) ~を変える letter /létər/ (名) 文字 combination /kɑ̀mbənéiʃən/ (名) 組み合わせ about what makes great typography great: 「〜 learned about 〜, about 〜, (and) about 〜.」 の3つ目の 「about」通常3つ目の前に “and” を入れるが省略されています。 “what” は先行詞を含む関係代名詞 (上述参考)です。 “make + O + C” で「OをCにする」という意味です。全体では「素晴らしいカリグラフィーをより素晴らしくすること」という意味になります。 It was beautiful, historical, artistically subtle in a way that science can’t capture, and I found it fascinating. None of this had even a hope of any practical application in my life. But ten years later, when we were designing the first Macintosh computer, it all came back to me. And we designed it all into the Mac. It was the first computer with beautiful typography. If I had never dropped in on that single course in college, the Mac would have never had multiple typefaces or proportionally spaced fonts. 科学ではとらえきれない伝統的で芸術的な文字の世界のとりこになったのです。これがいずれ何かの役に立つとは考えもしなかった。ところが10年後、最初のマッキントッシュを設計していたとき、カリグラフの知識が急によみがえってきたのです。そして、その知識をすべて、マックに注ぎ込みました。美しいフォントを持つ最初のコンピューターの誕生です。もし大学であの講義がなかったら、マックには多様なフォントや字間調整機能も入っていなかったでしょう。 解説 historical /histɔ́(ː)rikl/ (形) 歴史的な artistically /ɑːrtístikəli/ (副) 芸術的に subtle /sʌ́tl/ (形) 繊細な in a way that S+V:SがVする方法で capture /kǽptʃər/ (動) 捕らえる fascinating /fǽsənèitiŋ/ (形) 魅力的 find + O + C: OがCだとわかる None of A + V: Aのどれもが V ではない hope /hóup/ (名) 見込み practical /prǽktikl/ (形) 実用的な application /æ̀plikéiʃən/ (名) 有用性 None of this had even a hope of 〜: 「this」 は 「calligraphy」の事です。 「even」 は (副)「~さえも」。全体の意味は「カリグラフィーのどれもが〜の見込みさえ持っていなかった」から「カリグラフィーは全く〜の希望すらなかった」という意味になります。 Macintosh /mǽkintɑ̀ʃ/ (名) マッキントッシュ (= Mac) it all came back to me:「come back」 は「戻ってくる」から「思い出される」という意味になります。全体では「それがすっかり私に戻ってきた」から「それを全て思い出した」という意味になります。 design A into B:「BにAを設計した」から「BにA組み入れた」という意味になります。 multiple /mʌ́ltəpl/ (形) 多数の proportionally /prəpɔ́rʃənəli/ (副) 比例的に space /spéis/ (動) 間隔を空ける font /fɑ́nt/ (名) フォント ⇨ proportionally spaced fonts: 均整のとれた間隔のフォント If I had never dropped in on 〜, the Mac would have never had 〜: 仮定法過去完了です。ここでは「もしあの時〜しなかったら、〜しなかったであろう」という意味になります。 And since Windows just copied the Mac, it’s likely that no personal computer would have them. If I had never dropped out, I would have never dropped in on that calligraphy class, and personal computers might not have the wonderful typography that they do. Of course it was impossible to connect the dots looking forward when I was in college. But it was very, very clear looking backwards ten years later. そして、ウィンドウズはマックをコピーしただけなので、パソコンにこうした機能が盛り込まれることもおそらくなかったでしょう。もし私が退学をしていなかったら、あのカリグラフの講義に潜り込むことはなかったし、パソコンが現在のようなすばらしいフォントを備えることもなかった。もちろん、当時は先々のために点と点をつなげる意識などありませんでした。しかし、いまふり返ると、将来役立つことを大学でしっかり学んでいたのです。 |
解説
since /síns/ (接続) ~なので
just /dʒʌ́st/ (副) 単に
likely /láikli/ (形) あり得る ⇨ it is likely that 〜: おそらく〜です
no personal computer would have them: 仮定法過去の主節で「〜であろう」という意味です。 “them” は “multiple typefaces or proportionally spaced fonts”
If I had never〜, I would have never〜, and personal computers might not have 〜: 仮定法過去完了で、ここでは「もし私が〜していなかったら、私は〜していなかったし、PCは〜していなかったかもしれない。」という意味になります。
that they do:「that」 は関係代名詞です。 「they」は「personal computers」の事です。「do」 は 「have」の事で「PCが (今) 持っている (wonderful typography)」という意味になります。
look forward:「前を見る」から「将来を見る」という意味になります。ここでは “looking forward” と分詞構文で「将来を見ながら」という意味になります。(詳しい解説は「英語の文法」の「分詞構文」をご参照ください。)
look backward:「過去を振り返る」という意味になります。 ここも “looking backward” と分詞構文で「過去を振り返りながら」の意味です。
it was very clear (to connect the dots) looking backwards ten years later:カッコ内が省略されています。「10年後、過去を振り返ると点がつながることは明確だ」の意味です。
Again, you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something, your gut, destiny, life, karma, whatever. Because believing that the dots will connect down the road will give you the confidence to follow your heart. Even when it leads you off the well worn path, and that will make all the difference. 繰り返します、将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、みなさんは今やっていることがいずれ、何らかの形で人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。あなたの根性、運命、カルマ…、何にせよ、点が将来の道に繋がっていると信じる事があなた自身に自信を与えるのです。それ (your heart) が、踏み固められた人が取るべき道筋から外れてあなたを導いたとしても、大きな差をもたらしてくれます。 |
解説 somehow /sʌ́mhàu/ (副) 何らかの形で trust in 〜:〜を信頼する gut /gʌ́t/ (名) 直感 destiny /déstəni/ (名) 運命 karma /kɑ́ːrmə/ (名) 宿命 whatever /hwʌtévər/ (代名) 何でも down the road:直訳すると「この道の向こうで」です。そこから「将来いつか」という意味になります。 believing that the dots will connect down the road: ここまでが主語です。「 (「that」 以下のこと) を信じることは」という意味です。 confidence /kɑ́nfidəns/ (名) 自信 heart /hɑ́ːrt/ (名) 心 give you the confidence to 〜:give + A + B「AにBを与える」。ここでは「あなたに〜する自信を与える」の意味です。 even when 〜: ~のときでさえ lead /líːd/ (動) 連れて行く off /ɔ́(ː)f/ (前) ~から離れて worn /wɔ́ːrn/ (形) (「wear」 の過去分詞) 擦り切れた (ここでは「使い古された」という意味になります。) path /pǽθ/ (名) (踏み固められてできた) 小道 (ここでは「人が取るべき道筋」の意味です。) Even when it leads you off the well worn path:「それ (your heart) が、踏み固められた人が取るべき道筋から外れてあなたを導いたとしても」という意味になります。 that will make all the difference:「that」 は 「to follow your hear」あなたの心に従うこと」の事です。 「make the difference」 は「違いを作る」から「状況を一変させる」という意味になります。 |
My second story is about love and loss. I was lucky. I found what I loved to do early in life. Woz and I started Apple in my parents’ garage when I was 20. We worked hard, and in 10 years Apple had grown from just the two of us in a garage into a $2 billion company with over 4000 employees. We had just released our finest creation the Macintosh a year earlier, and I had just turned 30. And then I got fired. |
2つ目の話は愛と敗北です。私は若い頃に大好きなことに出合えて幸運でした。共同創業者のウォズニアックとともに私の両親の家のガレージでアップルを創業したのは二十歳のときでした。それから一生懸命に働き、10年後には売上高20億ドル、社員数4000人を超える会社に成長したのです。そして我々の最良の商品、マッキントッシュを発売したちょうど1年後、30歳になったときに、私は会社から解雇されたのです。 解説 loss /lɔ́(ː)s/ (名) 失ったもの what I loved to do:「what」は先行詞を含む関係代名詞で「私がやりたいこと」の意味です。主節の動詞 「found」 と時制を合わせて過去形になっています。 early in life: 人生の早い時期に Woz: Steve Wozniak (アップルの共同設立者。Apple I、IIをほぼ独力で開発した) garage /gərɑ́ː(d)ʒ/ (名) ガレージ、車庫 billion /bíljən/ (名) 10億 in 10 years Apple had grown from just the two of us in a garage into a $2 billion company with over 4000 employees: Apple設立から10年経った時 (このスピーチ時より過去) に、 「2 billion company」 に成長したので、 「had grown」 と過去完了になっています。 「grow from A into B」で「AからBへ成長する」という意味にになります。 「with」 は「~と共に」から「〜を雇う」の意。ここでは「ガレージでの我々たった2人から、従業員4,000人以上の20億ドルの会社へ成長した」という意味です。 release /rilíːs/ (動) 発売する creation /kriéiʃən/ (名) 作品 earlier /ə́ːrliər / (副) (時間的に) 前に We had just released our finest creation the Macintosh a year earlier: 「2 billion company」 に成長した過去のある時点より更に 「a year earlier(1年前) 」に「release」したので過去完了です。過去のある時点から1年前なので 「earlier」 を使います。 (現在から1年前であれば 「before」を使います) turn /tə́ːrn/ (動) 「〜へと方向を変える」から「~歳になる」の意味です。 and I had just turned 30: 「the Macintosh」 を 「release」 してからすぐ (2 billion company に成長する前に) 30歳になったので、ここも過去完了です。(過去完了の詳しい解説は「英語の文法」をご参照ください。) fire /fáiər/ (動) 解雇する ⇨ get fired:「be fired」と同じ意味を表す受動態です。「解雇される」という意味です。 How can you get fired from a company you started? Well, as Apple grew, we hired someone who I thought was very talented to run the company with me, and for the first year or so things went well. But then our visions of the future began to diverge and eventually we had a falling out. When we did, our Board of Directors sided with him. So at 30 I was out. And very publicly out. What had been the focus of my entire adult life was gone, and it was devastating. 自分で創業した会社からどうして解雇されることがあるのでしょうか?アップルが成長するにつれて、私は会社を一緒に経営するために、とても有能だと思った人物を雇いました。最初の1年ほどは順調でした。しかしその後、私たちの将来に対するビジョンが次第に食い違い始め、最終的に私たちは対立しました。そのとき、取締役会は彼の側についたのです。こうして私は30歳で会社を去ることになりました。しかも、それは非常に公に知られる形でした。大人になってからの私の人生のすべてを注いできたものが失われ、それは本当に打ちのめされるできごとでした。 解説 a company you started:先行詞 「 a company」 を「 you started」 が修飾している関係代名詞です。「 you started」の前に「which」か「that」が隠れています。 as:時を表す接続詞で「〜するにつれて」 hire /háiər/ (動) 雇う who I thought was very talented:「who」は関係代名詞 です。 「who was very talented」 に 「I thought」 を挿入した形です。 to run the company with me:to不定詞の目的用法で「私と一緒に会社を経営するために」という意味です。「run」はここでは「走る」ではなく「経営する」という意味です。 ~ or so:「~かそれぐらい」 diverge /dív’ərːdʒ/(動)分岐する、広がる、それる、離れる eventually /ivén(t)ʃuəli/ (副) 最終的に fall out: 「仲たがいをする」 board of directors: 「取締役会」 side with~:「~の肩を持つ、~の側に付く」 What had been the focus of my entire adult life:「what」は前置詞を持たない関係代名詞で「大人になってからの私の人生のすべてを注いできたもの」と訳します。(関係代名詞の詳しい解説は「英語の文法」をご参照ください。) entire /entáiər/ (形) 全部の devastate/’devastə́it/(動)荒らす、荒廃させる I really didn’t know what to do for a few months. I felt that I had let the previous generation of entrepreneurs down that I had dropped the baton as it was being passed to me. I met with David Packard and Bob Noyce and tried to apologize for screwing up so badly. I was a very public failure, and I even thought about running away from the valley. But something slowly began to dawn on me I still loved what I did. The turn of events at Apple had not changed that one bit. I had been rejected, but I was still in love. And so I decided to start over. 1カ月くらいは呆然としていました。私にバトンを託した先輩の起業家たちを失望させてしまったと落ち込みました。デビッド・パッカードやボブ・ノイスに会い、台無しにしてしまったことをわびました。社会的敗者でしたし、このまま逃げ出してしまおうかとさえ思いました。しかし、ゆっくりと何か希望がわいてきたのです。自分が打ち込んできたことが、やはり大好きだったのです。アップルでのつらいできごとがあっても、この一点だけは変わらなかった。会社を追われはしましたが、もう一度挑戦しようと思えるようになったのです。 解説 what to do:「何をすべきか」という不定詞構文(疑問詞+to不定詞)です。 let ~ down:「~をがっかりさせる」意味の句動詞です。 previous /príːviəs/ (形) 前の had let:過去完了形。彼が「失望させた」と感じた時点より前の出来事を表しています。 entrepreneur /ὰːntrəprənˈɚː/ 起業家 dropped the baton: リレー競走の比喩で、責任を引き継げなかったという意味です。 as it was being passed to me: 進行形の受動態。「私に渡されている最中に」という意味です。 asはここでは「〜している間に」「〜する時に」を表します。 David Packard:ヒューレット・パッカードの共同創業者です。 Bob Noyce:インテルの共同創業者の1人です。 screw up: 口語で「しくじる、大失敗する」という意味です。 so badly: 「とてもひどく」。程度を強調しています。 apologize /əpάlədʒὰɪz/(動)謝る public failure:「社会的敗者」 the valley :シリコンバレー(Silicon Valley)の事で、サンフランシスコ・ベイエリア 南部のIT企業の一大拠点。 dawn on me:「(私は)気づき始める」⇨ dawn /dɔ́ːn/ (動) 「夜が明ける」から「(真相などが) 分かり始める」という意味です。続く「I」の前に関係代名詞の「which」か「that」が隠れています。 What I did :関係詞whatで「私がしていたこと」という意味です。名詞節を形成しています。 turn of events :「事の展開、成り行き」⇨turn /tə́ːrn/ (名) 転換点、曲がり角 had not changed that one bit:「that」 は 「I still loved what I did」 つまり「やってきたことを好きだということ」の意。 「not 〜 one bit」 は「少しも〜ない」。全体の意味は「〜は、私がやってきたことを大好きだということを、少しも変えなかった。」の意。なお、前文の 「I still loved 〜」 と思った時よりも更に過去のため過去完了です。 not one bit:「少しも〜ない」という強調された否定表現です。 reject /ridʒékt/ (動) 拒絶する ⇨ I had been rejected: 受動態で、かつ上記と同じ意味で過去完了。「私は拒否された」の意。 in love: 恋して start over:「一からやり直す」⇨ over /óuvər/ (副) もう一度 I didn’t see it then, but it turned out that getting fired from Apple was the best thing that could have ever happened to me. The heaviness of being successful was replaced by the lightness of being a beginner again, less sure about everything. It freed me to enter one of the most creative periods of my life. そのときは気づきませんでしたが、アップルから追い出されたことは、人生でもっとも幸運な出来事だったのです。将来に対する確証は持てなくなりましたが、会社を発展させるという重圧は、もう一度挑戦者になるという身軽さにとってかわりました。アップルを離れたことで、私は人生でもっとも創造的な時期を迎えることができたのです。 解説 I didn’t see it then:直訳は「そのときはそれが見えなかった」ですが、「当時はそれがわからなかった」という意味になります。seeは「理解する」「気づく」という意味の知覚動詞として使われています。 turn out 〜:結局~であることが分かる I didn’t see it then, but it turned out that: 「see it」 の 「it」 は 「turned out that 〜」 の 「that」 以下のことを示す。 「but it」 の 「it」 は漠然と状況を示す。 getting fired from Apple:「アップルをクビになること」。「getting fired」 は「解雇される」という口語的な言い方で、動名詞構文(名詞のように扱われる構文)です。 the best thing that could have ever happened to me:「私に起こり得た中で最高のこと」と訳すことのできる仮定法過去完了(could have + 過去分詞)で、「起こっていたかもしれない中で」というニュアンスの強調表現です。 The heaviness of being successful: ここまでが主語です。「成功者としての重苦しさ」という意味です。 replace /ripléis/ (動) ~を取り替える ⇨ be replaced by 〜: ~に取って代る the lightness of being a beginner again:「再び初心者になった軽快さ」という意味です。⇨lightness /láitnəs/ (名) 軽快さ less sure about everything:「すべてにことについて確かではなかった」の意。(who was) less sure 〜” と 「who was」 を補足すると理解しやすい。 「who」 は関係代名詞で先行詞は 「a beginner」 です。⇨ less /lés/ (副) より少なく (littleの比較級) It freed me to enter ~:「それによって~に踏み出す自由が得られた」。「freed someone to do」は「~が~する自由を与える」という熟語です。。 one of the most creative periods of my life:「人生でもっとも創造的な時期のひとつ」。「one of the~」は「~の1つ」という意味の熟語です。 the most creative は最上級です。(詳しくは「英語の文法」の比較をご参照ください。)⇨ creative /kriéitiv/ (形) 創造性に富んだ、 period /píəriəd/ (名) 期間 During the next five years, I started a company named NeXT, another company named Pixar, and fell in love with an amazing woman who would become my wife. Pixar went on to create the worlds first computer animated feature film, Toy Story, and is now the most successful animation studio in the world. In a remarkable turn of events, Apple bought NeXT, I returned to Apple, and the technology we developed at NeXT is at the heart of Apple’s current renaissance. And Laurene and I have a wonderful family together. その後の5年間に、NeXTという会社を起業し、ピクサーも立ち上げました。そして妻になるすばらしい女性と巡り合えたのです。ピクサーは世界初のコンピューターを使ったアニメーション映画「トイ・ストーリー」を製作することになり、今では世界でもっとも成功したアニメ製作会社になりました。そして、思いがけないことに、アップルがNeXTを買収し、私はアップルに舞い戻ることになりました。いまや、NeXTで開発した技術はアップルで進むルネサンスの中核となっています。そして、ロレーンとともに最高の家族も築けたのです。 解説 During the next five years:アップルから解雇されてからの5年間の意味です。 named ~:「~という名前の」 NeXT: 1985年にジョブズが創業。高等教育やビジネス市場向けのワークステーションを開発製造していた。 fall in love with ~:「~と恋に落ちる」 amazing /əméiziŋ/ (形) 素晴らしい woman who would become my wife:「未来の妻となる女性」という意味になる関係代名詞です。(詳しくは「英語の文法」の関係代名詞をご参照ください。) Pixar: 1979年に フィルム社が創立した部門が前身。1986年ジョブズらが1000万ドルで買収し「ピクサー」と名付けました。 went on to create ~:「その後~をするようになった」。 go on to + 動詞の原形は「続けて~する」「次に~する」という意味の熟語です。 the world’s first computer animated feature film:「世界初のコンピューターアニメーションの長編映画」。「feature film」は「長編映画」、短編(short film)と対比されます。 ⇨ animated /ǽnəmèitid/ (形) アニメの and is now the most successful〜:「is」 の主語は 「Pixar」 In a remarkable turn of events:「驚くべき展開の中で」。turn of eventsは「展開、成り行き」⇨ remarkable /rimɑ́ːrkəbl/ (形) 注目に値する (「turn of events」 は前述参照) develop /divéləp/ (動) 開発する at the heart of Apple’s current renaissance:「アップルの現在の再生の中核にある」。at the heart ofは「中心にある」、renaissanceは「再生、復興」という意味です。 Laurene: ローリン (ジョブズのパートナー) I’m pretty sure none of this would have happened if I hadn’t been fired from Apple. It was awful tasting medicine, but I guess the patient needed it. Sometimes life’s going to hit you in the head with a brick. Don’t lose faith. I’m convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did. You’ve got to find what you love. And that is as true for your work as it is for your lovers. Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven’t found it yet, keep looking. Don’t settle. As with all matters of the heart, you’ll know when you find it. And, like any great relationship, it just gets better and better as the years roll on. So, keep looking. Don’t settle. もし、アップルをクビになっていなかったら、これらのできごとは何ひとつ起こらなかった事は確かです。非常に苦い薬でしたが、私にはそういう我慢が必要だったのでしょう。人生は時に、レンガで頭を殴るような衝撃を与えてくるでしょう。信念を失わないでください。自分の仕事を愛してやまなかったからこそ、前進し続けられたのです。皆さんも大好きなことを見つけてください。仕事でも恋愛でも同じです。あなたの仕事は、人生の大きな部分を占めることになります。やりがいを感じることができるただ一つの方法は、すばらしい仕事だと心底思えることをやることです。そして、素晴らしい仕事をする唯一の方法は、自分の仕事を愛することです。好きなことがまだ見つからないなら、探し続けてください。決して立ち止まってはいけない。本当にやりたいことが見つかった時には、不思議と自分でもすぐに分かるはずです。すばらしい恋愛と同じように、時間を重ねるごとによくなっていくものです。だから、探し続けてください。絶対に、立ち止まってはいけません。 解説 I’m pretty sure ~:「私はかなり確信している」という意味です。「pretty 」は「かなり、非常に」という副詞。口語でよく使われます。(「sure」の後に「that」が省略されています。) none of this would have happened if I hadn’t been fired:「もしクビになっていなかったら、これらは何も起こらなかっただろう」という意味で、仮定法過去完了です。(詳しくは「英語の文法」の仮定法をご参照ください。)「if I hadn’t been fired」 は「受動態」+「過去完了」。 awful tasting medicine:「ひどくまずい薬」という意味です。「tasting」は形容詞的に使われていて、「taste(味がする)」の現在分詞です。awful /ɔ́ːfl/ (形) ひどい guess /gés/ (動) 推測する ⇨「guess」 の後に「that」が省略されています。 patient /péɪʃənt/ (名) 我慢 life’s going to hit you in the head with a brick:「人生はレンガで頭を殴るような衝撃を与えてくるでしょう」「is (be) going to」は「~するでしょう」という未来を予想する表現です。 「brick(レンガ)」を使った強烈な印象を感じさせる比喩表現です。 faith /féɪθ/ (名) 信念、信頼 convince /kənvíns/ (動) 納得する、確信する that I loved what I did:「what」以下は「私がしていたこと」と訳す、関係代名詞です。(詳しくは「英語の文法」の関係代名詞をご参照ください。)「that」以下全体で「私は私がした事を大好きだった」という意味になります。 You’ve got to ~= You have to~(~しなければならない)の口語表現です。 what you love:「」は先行詞を含む関係代名詞で、「あなたが愛する事」という意味になります。(詳しくは「英語の文法」の関係代名詞をご参照ください。) that is as true for your work as it is for your lovers: 「that is」 の 「that」 と 「it is 」 の 「it」 は、両方とも前文全て (You’ve got to find what you love.) を示しています。 「that is true for your work」 と 「it is (true) for your lovers」 を 「as 〜 as …」 (… 同様 〜) でつなげています。「それはあなたの恋人について同様、仕事についても真実である」という意味になります。 true for ~:「~にも当てはまる」 what you believe is great work:「あなたが素晴らしいと信じる仕事」という関係詞構文です。 keep (kept) ~ing:「~し続ける」 the only thing that kept me going: ここまでが「that」節内の主語です。「thing」の後の「that」は関係代名詞で、先行詞は「thing」で「私を進み続けさせたただ1つの事」という意味になります。 settle:「妥協する、落ち着いてしまう」という意味です。ここでは「立ち止まる」と意訳しています。 as with ~:「~と同様に」という意味です。 matters of the heart:「恋愛・情熱・心に関する事柄」という様な意味になります。 you’ll know when ~: 「~のときにわかる」 という意味の構文です。 like /láik/ (接) (口語) ~のように get better and better:「ますます良くなる」 as:ここでは「~にするにつれて」という意味になります。 roll on:「コロコロ転がる、過ぎ去る」 My third story is about death. When I was 17, I read a quote that went something like: “If you live each day as if it was your last, someday you’ll most certainly be right.” It made an impression on me, and since then, for the past 33 years, I have looked in the mirror every morning and asked myself: “If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?” And whenever the answer has been “No” for too many days in a row, I know I need to change something. 3つ目の話は死についてです。私は17歳のときに「毎日をそれが人生最後の一日だと思って生きれば、その通りになる」という格言に出合ったのです。それは印象に残る言葉で、その日を境に33年間、私は毎朝、鏡に映る自分に問いかけるようにしているのです。「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか」と。「違う」という答えが何日も続くようなら、ちょっと生き方を見直せということです。 解説 When I was 17:「私が17歳だったとき」 a quote that went something like ~:「~というようなことが書いてあった格言」 quote:「引用句、格言」という意味です。「go」はここで「~という内容である」という意味です。 If you live each day as if it was your last:「もしあなたが毎日を、それが人生最後の日であるかのように生きれば」 as if ~:「あたかも~であるかのように」(仮定法) it was your last:文法的には「were」が正確だが、口語では「was」もよく使われます。 someday you’ll most certainly be right:「いつか、必ずその通りになる」 most certainly:「確実に、きっと」 make an impression on~:「~に印象を与える」 since then:「それ以来」 I have looked in the mirror every morning:「毎朝、鏡を見てきた」という意味の現在完了形(have + 過去分詞)です。過去から今までの継続を示します。 If today were the last day of my life:「もし今日が人生最後の日だったら」 仮定法過去(実際にはそうでないが、仮にそうだったら…)で“were”を使用します。(詳しくは「英語の文法」の仮定法をご参照ください。) would I want to do ~?:「私は~したいと思うだろうか?」 what I am about to do today:「今日これからやろうとしていること」と訳す関係代名詞です。(詳しくは「英語の文法」の関係代名詞をご参照ください。) be about to ~:「まさに~しようとしている」 whenever ~:「~するたびに」 the answer has been “No”:現在完了形で「(これまでに)ずっとノーだった」とという意味です。 in a row:「連続して」 Remembering that I’ll be dead soon is the most important tool I’ve ever encountered to help me make the big choices in life. Because almost everything ― all external expectations, all pride, all fear of embarrassment or failure – these things just fall away in the face of death, leaving only what is truly important. Remembering that you are going to die is the best way I know to avoid the trap of thinking you have something to lose. You are already naked. There is no reason not to follow your heart. 自分はまもなく死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役立つのです。なぜなら、他人の目やプライド、失敗する不安…これらはほとんどすべて、死の前には何の意味もなさなくなるからです。本当に大切なことしか残らない。自分は死ぬのだと思い出すことが、敗北する不安にとらわれない最良の方法です。我々はみんな最初から裸です。自分の心に従わない理由はないのです。 解説 Remembering that ~:「~ということを思い出すこと」=動名詞句です。. I’ve ever encountered:「私がこれまでに出会った中で」。現在完了 + everで「今までに」という経験を強調しています。 encounter /ɪnkάʊnṭɚ/ 出会う、出くわす、遭う、遭遇する to help me make ~:「~を決断するのを助けるための」 external expectations:「外からの期待(他人からの目)」 embarrassment /ɪˈmberʌsmənt/気おくれ、きまり悪さ、当惑させるもの fall away:「消え去る、脱落する、価値を失う」 in the face of ~:「~に直面して」→ in the face of death:「死に直面したときに」 leaving only:現在分詞句で、「そして〜だけを残す」の意味になります。 what:関係代名詞で、「~なもの・こと」という意味になります。 About a year ago I was diagnosed with cancer. I had a scan at 7:30 in the morning, and it clearly showed a tumor on my pancreas. I didn’t even know what a pancreas was. The doctors told me this was almost certainly a type of cancer that is incurable, and that I should expect to live no longer than three to six months. My doctor advised me to go home and get my affairs in order, which is doctor’s code for prepare to die. It means to try to tell your kids everything you thought you’d have the next 10 years to tell them in just a few months. It means to make sure everything is buttoned up so that it will be as easy as possible for your family. It means to say your goodbyes. 1年前、私はがんと診断されました。朝7時半に診断装置にかけられ、膵臓(すいぞう)に明白な腫瘍が見つかったのです。私は膵臓が何なのかさえ知らなかった。医者はほとんど治癒の見込みがないがんで、もっても半年だろうと告げたのです。医者からは自宅に戻り身辺整理をするように言われました。つまり、死に備えろという意味です。これは子どもたちに今後10年かけて伝えようとしていたことを、たった数カ月で語らなければならないということです。家族が安心して暮らせるように、すべてのことをきちんと片付けなければならない。別れを告げなさい、と言われたのです。 解説 had a scan:「スキャン(検査)を受けた」 tumor /t(j)úːmɚ/腫瘍 pancreas/ pˈæŋkriəs/膵臓 (消化に関与する器官) incurable /ìnkjˈʊ(ə)rəbl/ 治療できない expect to live no longer than ~:「〜以上は生きられないと覚悟する」 get my affairs in order:「身辺整理をする」。→ affairs:「事務、身の回りのこと、遺産など」 doctor’s code for ~:「〜を意味する医者用語/婉曲表現」 you thought you’d have ~:「〜があると思っていた」 → you’d have = you would have(未来のつもりだった) everything you thought you’d have the next 10 years to tell them:「これから10年かけて伝えられると思っていたすべてのこと」 in just a few months:「たった数か月の間に」 make sure ~:「〜を確実にする」。 buttoned up:「(比喩的に)しっかり整理された、完了した」 so that ~:「〜するために」(目的を表します) as easy as possible:「できるだけ楽に」(「as~as」は同格の比較表現です。)(詳しくは「英語の文法」の仮定法をご参照ください。) I lived with that diagnosis all day. Later that evening I had a biopsy, where they stuck an endoscope down my throat, through my stomach and into my intestines, put a needle into my pancreas and got a few cells from the tumor. I was sedated, but my wife, who was there, told me that when they viewed the cells under a microscope the doctors started crying because it turned out to be a very rare form of pancreatic cancer that is curable with surgery. I had the surgery and thankfully I’m fine now. その診断を受けたまま、一日中過ごしました。その晩遅くに生検を受けました。医師は内視鏡を喉から胃、そして腸へと挿入し、膵臓に針を刺して腫瘍から数個の細胞を採取しました。私は麻酔をかけられて分かりませんでしたが、付き添っていた妻によると、顕微鏡でその細胞を観察した医師たちは泣き出したそうです。なぜなら、それは手術で治療可能な非常にまれなタイプの膵臓がんだったからです。私は手術を受け、今は元気にしています。 解説 live with ~ :「(つらい事実などを)抱えて生きる」という意味の熟語です。 biopsy /báiɑpsi/生検。病変組織を採取して診断する医療行為。 where they stuck an endoscope down my throat:「喉に内視鏡を入れた場所で」という意味になる関係副詞 where による説明構文です。(詳しくは「英語の文法」の関係副詞をご参照ください。) stick A down B:「AをBに突っ込む」という意味の熟語です。 endoscope /éndəskòʊp/ 内視鏡 intestine /ɪntéstɪn/ 腸 put a needle into my pancreas:「膵臓に針を刺した」。put A into B は「 AをBの中に入れる」という意味の熟語です。 got a few cells from the tumor 「腫瘍からいくつか細胞を採取した」。get A from B = BからAを得る。a few =「少数の」は可算名詞に使用できます。 cells/sél/小室、個室、(刑務所の)独房、細胞 sedate /sɪdéɪt/ 鎮静する (受動態 was sedated で「鎮静された」。医療でよく使う表現。) my wife, who was there, told me that… 「その場にいた妻が、私にこう教えてくれた」。関係代名詞 who was there により「妻」がその場にいたことを補足しています。(詳しくは「英語の文法」の関係代名詞をご参照ください。) microscope /mάɪkrəskòʊp/ 顕微鏡 turn out to be ~ :「結果的に〜と判明する」という意味になる熟語です。 rare /réɚ/ まれな curable/kjˈʊ(ə)rəbl/ 治癒可能な(形) surgery /sˈɚːdʒ(ə)ri/ 手術 form of pancreatic cancer that is curable:「治す事ができるすい臓がん」という意味の関係代名詞です。 that 以下が form を修飾しています。 thankfully /ˈθæŋkfʌli/ ありがたいことに This was the closest I’ve been to facing death, and I hope it’s the closest I get for a few more decades. Having lived through it, I can now say this to you with a bit more certainty than when death was a useful but purely intellectual concept: No one wants to die. Even people who want to go to heaven don’t want to die to get there. And yet death is the destination we all share. No one has ever escaped it. And that is as it should be, because Death is very likely the single best invention of Life. It is Life’s change agent. It clears out the old to make way for the new. Right now the new is you, but someday not too long from now, you will gradually become the old and be cleared away. Sorry to be so dramatic, but it is quite true. これは、私が死と最も近づいた瞬間でした。そして、これが今後数十年間で最も死に近づく経験であってほしいと願っています。その経験を乗り越えた今、死が「有用ではあるが、純粋に知的な概念」でしかなかった頃よりも、少し確信をもって皆さんにこう言えます。誰も死にたいとは思っていません。天国に行きたいと思っている人でさえ、そこへ行くために死にたいとは思いません。それでも、死は私たち全員に共通する目的地です。誰一人、それを逃れた者はいません。そして、それでよいのです。なぜなら、「死」はおそらく「命」というものが生んだ最高の発明だからです。死は命の変化を促す存在であり、古いものを一掃して新しいもののために場所を空けてくれるのです。今はその“新しいもの”があなたたちです。けれど、そう遠くない将来、あなたも徐々に“古いもの”となり、退場していくことになります。ドラマチックすぎるかもしれませんが、それが真実です。 解説 the closest I’ve been to ~:「〜に最も近づいた状態だった」 facing death:「死に直面すること」。“face” は「向き合う・直面する」 hope + 主語 + 動詞:「~であってほしいと願う」 for a few more decades:「あと数十年間は」 Having lived through it(having + 過去分詞):完了分詞構文で、「それを乗り越えた今」という意味です。 certainty:確信 a useful but purely intellectual concept:「有用ではあるが、純粋に知的な概念」 destination /dèstənéɪʃən/ 目的地 Death is very likely the single best invention of Life very likely:「非常に〜らしい」 change agent:「変化を促す存在」 clear out A:「A を一掃する」 make way for B:「B のために場所を空ける」 gradually /grˈædʒuəli/ 徐々に、次第に clear away:「取り除く、消える」 Sorry to be so dramatic, but it is quite true dramatic:「大げさ、劇的」 quite true:「まさにその通りだ」 Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life. Don’t be trapped by dogma ―which is living with the results of other people’s thinking. Don’t let the noise of others’ opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary. あなたの時間は限られています。だから、他人の人生を生きて無駄にしてはいけません。 ドグマ(常識)に縛られないでください、それは他人の考えの結果に従って生きるということです。他人の意見の雑音に、自分の内なる声をかき消されないようにしてください。 そして何よりも大切なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。 それらはなぜか、あなたが本当になりたい姿をすでに知っているのです。 他のことはすべて二の次です。 解説 dogma/dˈɔːgmə/ 教義、常識、他人の信念(ここでは無批判に信じられているルールや考えの事です。) which is ~:関係代名詞で「つまりそれは〜ということだ」という様に訳せます。(詳しくは「英語の文法」の関係代名詞をご参照ください。) living with the results of ~:「~の結果に従って生きる」 drown out ~:「(音などを)かき消す」 「心の声」「本音」の比喩表現 ◉ And most important, have the courage to follow your heart and intuition. most important:「最も重要なのは」 文法的には “most importantly” が正しいが、スピーチでは口語でこう言うことも多い have the courage to ~:「〜する勇気を持て」 intuition /ìnt(j)uíʃən/ 直感、勘 somehow /sˈʌmhὰʊ/ なぜか、どういうわけか、どうも already know:「すでに知っている」 what you truly want to become:関係代名詞で「あなたが本当になりたい姿」という意味です。(詳しくは「英語の文法」の関係代名詞をご参照ください。) else /éls/ そのほかの、他の secondary/sék(ə)ndèri/ 第 2 の、二流の、(…に)次いで、副次的な、派生的な、従属的な When I was young, there was an amazing publication called The Whole Earth Catalog, which was one of the bibles of my generation. It was created by a fellow named Stewart Brand not far from here in Menlo Park, and he brought it to life with his poetic touch. This was in the late 1960’s, before personal computers and desktop publishing, so it was all made with typewriters, scissors, and polaroid cameras. It was sort of like Google in paperback form, 35 years before Google came along: it was idealistic, and overflowing with neat tools and great notions. 私が若かった頃、The Whole Earth Catalog(ホール・アース・カタログ)という素晴らしい本がありました。それは私たちの世代にとってのバイブルのようなものでした。ここからそう遠くない街のメンロパークで、スチュアート・ブランドという人物によって書かれ、彼の詩的なセンスによって命が吹き込まれました。これは1960年代後半のことで、まだパソコンやデスクトップがなかった時代でした。すべてタイプライター、ハサミ、ポラロイドカメラを使って作られていたのです。 それは、まるでペーパーバック版のGoogleのようなもので、Googleが登場する35年前にすでに存在していたのです。理想主義に満ち、便利なツールや素晴らしいアイデアがあふれていました。 解説 When I was young:「when 」は接続詞で「若かった頃」という意味になります。 publication /p`ʌbləkéɪʃən/ 出版、発行、刊行、出版物(ここでは簡単に「本」としています。) called ~:「~と呼ばれる」 bring to life:「命を吹き込む」「生き生きとさせる」 sort of like ~:「~のようなもの」 paperback form:「文庫本形式」 come along: 「やってくる、(…と)一緒に来る、ついて行く、同行する」 overflowing with ~:「~があふれている」 neat tools:「便利なツール」 notions /nóʊʃən/ 発想・アイデア Stewart and his team put out several issues of The Whole Earth Catalog, and then when it had run its course, they put out a final issue. It was the mid-1970s, and I was your age. On the back cover of their final issue was a photograph of an early morning country road, the kind you might find yourself hitchhiking on if you were so adventurous. Beneath it were the words: “Stay Hungry. Stay Foolish.” It was their farewell message as they signed off. Stay Hungry. Stay Foolish. And I have always wished that for myself. And now, as you graduate to begin anew, I wish that for you. Stay Hungry. Stay Foolish. Thank you all very much. スチュワートと彼の仲間は全地球カタログを何度か発行し、一通りやり尽くしたあとに最終号を出しました。70年代半ばで、私はちょうどあなた方と同じ年頃でした。背表紙には早朝の田舎道の写真が。あなたが冒険好きなら、ヒッチハイクをする時に目にするような風景です。その写真の下には「ハングリーなままであれ。愚かなままであれ」と書いてありました。筆者の別れの挨拶でした。ハングリーであれ。愚か者であれ。私自身、いつもそうありたいと思っています。そして今、卒業して新たな人生を踏み出すあなた方にもそうあってほしい。 ハングリーであれ。愚か者であれ。 ありがとうございました。 run its course:「役目を終える」「自然に終息する」(比喩表現で川や病気などにも使われるます。) a final issue:「最終号」 and then when S + had +過去完了, S + V(過去形)=「〜し終えたとき、〜した」 the mid-1970s:「1970年代半ば」 the kind (that) you might find yourself hitchhiking on:関係代名詞 の「that」が「the kind 」と「you」の間に隠れています。「(もしあなたが冒険好きなら)ヒッチハイクしている自分を見出すようなタイプの道」 find yourself doing:「気づいたら〜している」「いつの間にか〜している自分に気づく」 例:find yourself lost(迷子になっている自分に気づく) Beneath it were the words:倒置表現(通常は “The words were beneath it”) Beneath /bəníːθ/~の下に farewell message:「別れの言葉」「最後のメッセージ」 sign off : 放送・連載・プロジェクトなどの終了を告げること(TV局や番組にも使う) anew /ən(j)úː/文語的で「新たに」「もう一度」 |
このスピーチには、人生の本質を突く力があります。「Stay Hungry. Stay Foolish. (ハングリーであれ。愚か者であれ。)」という言葉には、常識に縛られず、自分の信じた道を歩む勇気が詰まっています。
このスピーチを読むことで、自分の人生にとって本当に大切なことが何か、改めて考えるきっかけになるはずです。
あなた(私)がこれから何かを始めるとき、迷ったとき、立ち止まった時、ふとこのスピーチを思い出してみてください。
「死を意識することは、人生の選択において最も大きな助けになる」
ジョブズの言葉が、あなたの人生にもきっと道しるべをくれるはずです。