リスニング力を伸ばすには

未分類

認知科学者・言語学者である今井むつみさんが、著書の「英語独習法」の中で、「英語のリスニングを伸ばすには①語彙を増やす②スキーマを使う③マルチモーダルな手がかりを増やす必要がある」と言っておられます。

ちゃ
ちゃ

こんにちは。

「ちゃ」と申します。

娘が3人います

言語聴覚士として働いています。

コミュニケーションについて沢山考えたいです。

子供達には英語を身につけて、世界中の人とコミュニケーションを楽しんでもらいたいです。

そのために、できる事を日々考えています。

少しでも背中を見てもらえるようにと、英検1級等を取得しました。


今井むつみさんは、言語習得における「意味の理解」と「語のつながり」に注目した研究で有名です。

① 語彙を増やす(知っている単語を増やす)


 リスニング力の土台は「語彙」にあります。 単語を「聞いたときに意味がわかる」状態にしておくこと基本です。

聞こえても「意味を知らない単語」は情報として処理できません。知っている語彙が少ないと、音が流れても「意味のあるかたまり」として認識できず、ただの雑音や環境音と同じになります。

Pointは「知っている」程度の理解ではなく、単語を聞いて、その単語が持つ意味をすぐに、なんとなくでもイメージできなくてはいけません。

DWEなどの教材は絵があり歌とストーリーの中で色々な語彙に触れる事ができます。この様な教材は記憶に残りやすく、多面的に覚えられます。

多面的というのは、その単語の持つ意味はもちろん、発音やそれが使われる場面、使われ方、その時の雰囲気等の事です。特に、繰り返し見る事で同じ単語に何度も触れさせ、それらををセットで覚える事ができイメージが膨らみやすいようにします。

② スキーマを使う(予測・背景知識を活用する)

スキーマ(schema)とは、過去の経験から得た「知識の枠組み」です。物事を整理して理解する為の知識の枠組みや構造の事です。「こういう場面では、こんな表現が使われるはず」と予測する力を指します。

例えば、「犬」と聞いた時に、「4本足の吠える動物」というイメージが頭に浮かびます。人によっては、「かわいい、人懐っこい動物」という印象かも知れませんし、他の人にとってはそうじゃないかも知れません。人によっては違いはありますが、この様な知識の枠組みを「スキーマ」と言います。

リスニングは「すべての音を100%聞き取る能力」ではありません。例えば、家で食卓を囲んで、食事をしている時に、斜め前に座っている姉から「×し取って(×ははっきり聴き取れなかった音節)」と言われるとします。状況から考えて、姉の所からは遠くて手が届きにくい、私の側に置いてある「箸(はし)」の事だと分かる事があります。この様な状況の様に、相手が何を言ったか予測する事はよくあります。
この様に、リスニングでは 知識を使って「聞き取れなかったところを補完する」ことが重要で、しばしば、無意識にしている事です。

例えば、「レストランの会話」だと、注文・お会計・おすすめ料理などのパターンが予測できます。その為に、騒がしい店内でも、ウエートレスの方に何かを言われて、はっきり聞き取る事ができなくても、状況から考えて、「注文を取りに来たんだ」と判断し、注文し始める事がよくあります。

リスニングで1から10まで聞き取ろうなんて思わずに、 この様なスキーマを利用できる(利用すべき)事を知って、その感覚を育てる事が大切です。

 そして、その方法は日々の生活の具体的なシチュエーションに触れる教材を使ったり映画やアニメでそのような日常場面をたくさん見ることです。

DWEではその様な日常に起こる事を題材にしたストーリー展開で、基本的で自然な英語の表現に触れる事ができます。

③ マルチモーダルな手がかりを使う(音・絵・ジェスチャー・状況を同時に活用)

 マルチモーダルな手がかりとは「音声だけではなく、「視覚・状況・ジェスチャー」など複数の感覚情報の事で、それらを使う事で、理解が深まり、英語が文字通り「身体的に」身に付きます。子どもが母語を言葉を覚えるときも「見て・聞いて・やって」、言葉を覚えていきます。これは非常に自然な習得方法です。

アニメと音声、そして字幕によって、マルチモーダルな学習で脳はより効率よく意味を捉えます。特に、子どもは絵や動き等の非言語的手がかりを通じて意味を推測する力が高いのです。

普段から、英語の単語や文章を様々な角度からとらえる事を心がけると、英語を聞いて、理解しようとする時に、音声を様々な観点から捉え、把握する力が付きます。

  その様な意味でも、DWEのように「歌・動き・映像」がセットになった教材はまさに最適です。子どもに聞こえた単語に対応する物を指さしてもらったり、英語の指示通りに動作で表現するなどのアクティビティを取り入れる事で、文字通り学んだ英語を血肉として体に染みつけることができます。

まとめ

語彙力は言語理解の要(かなめ)です。言葉を聞いて理解するためには、基本的な語彙理解は無くてはいけません。
スキーマは普段から私達も使用しています。日本語でも文章の一語一句を漏らさずに聞いているわけではなく、その時の文脈や場面から色々予測して、理解を補っています。 日常場面を多く英語で体験(アニメやロールプレイ)する事で、スキーマが育ちます。
マルチモーダル な手がかりによって、複数の感覚で学ぶ事で学びを身体化させ、聴覚だけでなく様々な感覚に言語(英語)を沁み込ませることで、聞いた時の理解が深まります。その為にも 映像・動作・音声のある教材を使う事が肝要です。

ワールドファミリーの教材は、この今井むつみさんの理論を実践的に体現している教材でもあります。教材には絵本やDVDをはじめ、音声がある単語カードや音声がある絵本など色々な角度から英語を楽しむ事ができます。その様な教材で様々なお子さんの年齢に応じて、語彙とスキーマを意識した使い方をすることで、リスニング力が自然と伸びていきます。


コメント

タイトルとURLをコピーしました