もし、英語を勉強したい人で、音楽を聴いたり歌う事が好きなら、英語学習に、洋楽を聞いて歌えるようになる事も1つの良い勉強法になると思います。
そんな勉強法を紹介します。
歌で英語を学習するメリット
1.楽しく学べる
やはり、これが1番に挙がる大きなメリットです。洋楽で好きな歌手がいれば、その歌手の歌を覚えるぐらい聞くことは多くの人にとって、大した労力にならないと思います。上記した様に、歌って幸せになりながら勉強ができるので、継続がたやすくなる事は簡単に想像できます。
また、相乗効果で普段の英語学習も捗り、楽しくなります。
2.英語の音声に慣れる事ができる
苦手意識を持っている英語学習の項目にリスニングを挙げる人は多くいると思います。その理由は、普段聞いている日本語と違う発音やイントネーションに感覚的に適応し辛く、耳から入ってきた英語の音声を理解するために頭に留めておいたり、そもそも何を言っているのか聞き取れなかったりする為です。一言で言うと、「慣れていない事」が原因で、解決策としては「慣れる」以外にありません。その解決策の一つとして、英語の歌を聞いて「慣れる」のは楽しくて、良い方法の1つです。
3.発音やイントネーションが身に付きやすい
2.で述べたように慣れていない発音やイントネーションを歌を覚えながら身につける事ができます。カラオケでよく歌う日本の歌を覚えている方は多いますと思います。その様にして英語の歌を覚えると、自然に発音やイントネーションを身につける事ができます。しかも、楽しく。
4.語彙力やフレーズが身に着く
20数年前にMr.チルドレンのイノセントワールドという曲が流行りました。その時、私はイノセント(innocent:無罪の、無垢の、純潔な)という意味を最初は知りませんでしたが、対して考える事もなくこの曲を歌う事ができました。また、この曲のおかげで「innocent」という単語は忘れたくても忘れられない単語になりました。
この様に、外国語の単語やフレーズを歌で覚えたは経験は私だけではないと思います。よく知っている洋楽の曲を増やすと忘れる事のできない単語やフレーズが身に付きます。
5.ながら勉強ができる
「ながら勉強」とは、「~しながら勉強する」という事です。「テレビを観ながら勉強する」という事はもちろん、「音楽を聴きながら勉強する」事も勉強内容によっては非効率になる場合があります。(参考:音楽が勉強に与える影響)
しかし、英語の歌を聴きながらの家事や散歩等は意味があると思います。普段の何気ない日常生活の中で英語の歌を聞き、時には口ずさみながら聞くことは、耳を英語に慣らしたり、英語の発音に滑口の動きを慣らす事は、練習になります。
慣れるという事は、集中力が無い状態で、無意識下でできるという事なので、普段から使用できるようにしていかなくてはいけない言語学習は、無意識下に落とし込む必要があります。そのために、普段の生活の中にBGMの様な存在する事で英語に対する慣れを促す事ができます。
歌で英語学習するポイント
1.同じ曲を繰り返し、覚えるぐらい聞く
誰しも、1度や2度聞いたり見たりしただけで、歌を覚える事はできません。何回も聞く事で自然に口から零れ落ちる様に出てくる曲になります。特に、その曲に聞き慣れてしまえば、色々な単語やフレーズが、簡単に口からついて出てきます。
2.歌詞を見て聞きながら確認する
最初は何回も聞き流すだけでもいいですが、なんと歌っているか、歌詞を確認しながら聞く必要があります。歌詞を目で確認する事で、「なんとなくそんな感じに聞こえて、その様に歌う」状態から、「意味のある歌詞の意味を感じながら歌える」状態にでき、英語学習として捗ります。そのために、洋楽の歌詞を確認すると同時に、意味や文法、表現方法にも少し意識を向けると、その学習効果は何倍にもなります。
3.聞く曲を少しずつ増やす
お気に入りの曲を何回も聞いて覚えると、段々と意識をしなくても歌が口をついて出てくるようになります。更に何回も聞いて上手く歌えるようになると、飽きてきます。そこまで歌えるようになると、新しい曲を歌えるようになる必要があります。
実際は、何曲かを並行して聞いて覚えるてもいいと思います。
誰もが日本のPOP歌手の歌を何回も聞いて覚えてしまう事があると思いますが、そんな感覚と同じだと思います。
おすすめ歌手1選
「では、何を聞けばよいのか?」という事になりますが、私は「カーペンターズ (Carpenters)」一択です。
理由としては、オーソドックスなきれいな発音で、聞き取りやすい英語で歌われている事が挙げられます。
また、ポピュラーで多くの人に聞かれていて、「聞いた事がある」と思える歌が多く、身近に感じやすい曲も多くあります。
そして、なんと言っても(あくまで主観ですが)、いい曲が沢山あります。
耳触りの良い、多くの歌で、英語を勉強ができます。
私がおススメするカーペンターズの曲を英語の勉強からの視点で、歌詞の文法や慣用句を解説するページを作ってみたので、良ければ見てください。➡「歌で勉強する英語」
科学的な視点
脳梗塞や脳出血等の脳血管障害で失語症を発症し、言葉を話しにくくなった患者さんでも、歌は歌える人が時々おられます。
論文等でも、同様の症例を散見する事があり、歌う事が言葉のリハビリテーションを促進する事があるというのは、他の言語聴覚士でも肌感覚で、感じている人はいると思います。
普段、私達の言葉は主に左脳で入力されたり、出力されたりします。しかし、歌を歌う時は右脳が活性化するといわれ、その右脳の働きが左脳の働きを代償しているものと思われます。(参考: Treatment of Subcortical Aphasia Due to Putaminal Hemorrhage With the Japanese Version of Melodic Intonation Therapy )
まとめ
この勉強法は、定期テストや学校受験、そして資格試験等に対して、即効性があるものではありません。
しかし、机でする勉強と違い、楽しく集中しなくても、苦も無く(というか、楽しく)続けられます。
楽しく、沢山の曲を歌えるようになることで、英語に対しての免疫が上がり、勉強面でも楽しさを見つける機会が増えます。なんでもそうですが、英語の勉強も継続が肝要です。継続するためにも、この様な勉強の仕方も取り入れる事は取り入れても良い方法かと思います。
また、社会人になってからや、子供が英語を勉強するようになってから、「英語の勉強をやり直したい」と思う人も沢山いると思います。そんな方の英語の勉強の入り口として取り入れても良いと思います。
アメリカの哲学者ウィリアム・ジェームズが「幸せだから歌うのではない。歌うから幸せになるのだ。」と言ったそうです。そんな歌を歌いながら、幸せに英語学習できたら最高です。
是非、英語学習に取り入れてみてはいかがでしょうか?
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