中世の実験

コミュニケーション

その昔、フリードリヒ2世という西ヨーロッパの封建社会に君臨した最後の皇帝がいました。学問と芸術を好んだそうです。今からおよそ800年前にこの皇帝が行った有名な実験で「言葉を一切教わらなかった赤ちゃんはどんな言葉を話すようになるのか」という疑問をもとに、50人の生まれたばかりの赤ちゃんを集めさせ、部屋に隔離しました。

 その赤ちゃん達は「赤ちゃんの目を見ない・話しかけない」という条件の下、生きる上で最低限必要と思われる事(ミルクを与える・排泄の処理等清潔を保つ等)は怠らずにされました。

 フリードリッヒ2世の「人間は生まれた時から何かしらの言葉を持っているに違いない」という彼の仮説のもとに行った実験だったのですが、結果的にこの集められた赤ちゃんは1歳の誕生日を待たずして、全員亡くなってしまったそうです。その後、似たような実験が他の人によって行われたそうですが、結果はそれに近いようなものだったそうです。  「性善説(人間は善を行うべき道徳的本性を生まれながらに持っているという説)」や「性悪説(人間の本性を利己的欲望と見て、善の行為は後天的な習得によってのみ可能とする説)」など、人間が生得的に持っているものとして、色々言われていますが、このような実験から、導き出される答えの1つとして、「人間は食べ物や飲み物、そして空気と同じぐらいコミュニケーションを必要としている。」ということだと思います。

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